こんにちは、RYO英会話ジムのリョウです。
ソニーの元社長兼CEOとして知られる平井一夫さん。
英語でのスピーチやインタビューを見たことがある方なら、
「この人、本当に日本人なの?」
と思うくらい、自然な英語を話していることに驚くかもしれません。
発音がきれいなのはもちろんですが、それ以上に印象的なのが、英語でそのまま考え、自然に説明し、ユーモアまで交えながら話していることです。
結論から言うと、平井一夫さんは単なる「英語が得意な日本人」というより、
日本語と英語の両方を高いレベルで使える、実質的なバイリンガル
と考えたほうが近いでしょう。
ただし、興味深いのは、最初から英語が完璧だったわけではないということです。
今回は、平井一夫さんがなぜここまで高い英語力を身につけたのかを、経歴と英語学習の視点から見ていきます。
さらに後半では、僕自身が英語コーチング事業を運営する中で感じている、
「英語が話せる人」と「英語で仕事ができる人」の違い
についても掘り下げます。
- 1 平井一夫さんの英語力はどのくらい?
- 2 平井一夫さんはどこで英語を覚えた?
- 3 意外にも、最初から英語ができたわけではない
- 4 英語を「勉強」ではなく「生活」で使っていた
- 5 ICUでも国際的な環境に身を置く
- 6 そして英語を「ビジネスの武器」に変えた
- 7 「英語が話せる」から「英語で仕事ができる」へ
- 8 平井一夫さんの英語が「ネイティブっぽく聞こえる」3つの理由
- 9 英語コーチとして感じる、平井一夫さんの英語力の本質
- 10 日本人に足りないのは、インプットよりアウトプット
- 11 TOEICが高くても話せない。その理由は意外とシンプル
- 12 伸びる人ほど「話す→改善する」を繰り返している
- 13 RYO英会話ジムでも「話す→可視化→改善」を繰り返す
- 14 「英語が話せる」と「英語で仕事ができる」は別物
- 15 平井一夫さんの本当にすごいところは「英語力+コミュニケーション力」
- 16 日本人が真似すべきなのは「海外経験」ではなく「環境」
- 17 僕自身も「英語は運動に近い」と感じた
- 18 まとめ:平井一夫さんの英語力は「環境 × 圧倒的な実践量」の結果
平井一夫さんの英語力はどのくらい?
まず、英語力についてです。
平井さんの英語は、一般的な日本人の「ビジネス英語が話せる」というレベルを大きく超えています。
英語で、
- 経営戦略を説明する
- 海外メディアの質問にその場で答える
- 大人数の前でプレゼンする
- 海外の経営陣をマネジメントする
- ユーモアを交えながら話す
といったことを自然にこなしています。
特にすごいのは、暗記した英文を話している感じが全くないことです。
質問を受ければ、その場で内容を理解し、自分の考えを組み立てて返す。
つまり、
日本語で考える → 英訳する → 話す
という処理ではなく、
英語を英語のまま運用している
ように完全に見えます。
ビジネス英語という観点では、ネイティブ級と言っても違和感がないレベルでしょう。
ただし、厳密に「第一言語としてのネイティブなのか」という意味では少し違います。
平井さんは日本人家庭に生まれ、その後、海外環境の中で英語を身につけたバイリンガルです。
平井一夫さんはどこで英語を覚えた?
答えは、幼少期の海外生活です。
平井さんは父親の仕事の関係で、子どもの頃からアメリカやカナダなどで生活しています。
そのため、
海外の学校 → 日本 → また海外
というように、異なる文化や教育環境を行き来しながら育っています。
そして日本では、
ASIJ(American School in Japan/アメリカンスクール・イン・ジャパン)
にも通っています。
つまり、平井さんの英語力の土台になったのは、
子どもの頃から英語を実際に使わなければ生活できない環境にいたこと
だと言えます。
意外にも、最初から英語ができたわけではない
ここは、英語学習者にとってかなり興味深いポイントです。
平井さん自身、海外生活を始めた当初は英語に苦労した経験を語っています。
つまり、
海外に行った瞬間に英語が話せるようになったわけではありません。
当然ながら、
聞く
↓
わからない
↓
間違えながら話す
↓
また聞く
↓
少しずつ理解できる
というプロセスを経験しています。
これは、普通の英語学習と本質的には同じです。
違うのは、
そのアウトプット量が圧倒的だった
ということです。
英語を「勉強」ではなく「生活」で使っていた
平井さんの英語力を考えるうえで、一番重要なのはここだと思います。
日本では英語を、
英語 → 日本語 → 理解
という形で学ぶことが多いですよね。
たとえば、
What are you going to do tomorrow?
と聞かれたときに、
「明日何する予定だろう」
と日本語に変換してから、
「仕事だから…」
と考えて、
I’m going to work tomorrow.
と英語に戻す。
これでは、どうしても時間がかかります。
一方、英語環境で生活していれば、
What are you going to do tomorrow?
↓
意味をそのまま理解
↓
Probably just work.
というように、
英語と意味が直接つながっていきます。
平井さんは幼少期から、これを毎日の生活の中で何千回、何万回と繰り返してきたと考えられます。
だから大人になったとき、
英語を「翻訳する言語」ではなく、「そのまま使う言語」にできた
のでしょう。
ICUでも国際的な環境に身を置く
その後、平井さんは国際基督教大学、いわゆるICUへ進学します。
大学では国際法などを学び、国連で働くことにも関心を持っていたそうです。
ICUには、
- 海外から帰国した学生
- 海外で教育を受けた学生
- 日本国内で育った学生
- 外国人学生
など、さまざまなバックグラウンドを持つ人が集まります。
英語力そのものだけではなく、
自分とは違う考え方を持つ人と話す力
も、こうした環境の中で磨かれていったと考えられます。
そしてこれは、後のグローバル企業経営にもつながっていきます。
そして英語を「ビジネスの武器」に変えた
大学卒業後、平井さんは1984年にCBS・ソニーへ入社します。
その後、大きな転機となったのが1995年です。
Sony Computer Entertainment Americaへ移り、北米のPlayStation事業を担当するようになります。
そこから、
1996年:EVP兼COO
↓
1999年:社長兼COO
↓
2003年:社長兼CEO
へと昇進します。
つまり、アメリカで単に働いていただけではありません。
アメリカ人を含む組織を、英語で率いていた
わけです。
ここは非常に重要です。
日常英会話ができることと、
英語で人を動かすこと
はまったく別物だからです。
「英語が話せる」から「英語で仕事ができる」へ
英語学習ではよく、
「ペラペラになりたい」
と言います。
でも、ビジネスでは本当に必要なのはそこではありません。
必要なのは、
英語を使って目的を達成できること
です。
たとえば、
- 相手を説得する
- 意見を言う
- 反対意見を伝える
- 会議をまとめる
- チームを動かす
- プレゼンする
- 判断を説明する
こうした能力です。
平井さんは北米PlayStation事業を成長させ、その後、世界のPlayStation事業を率いる立場になります。
そして2012年には、ついにソニー株式会社の社長兼CEOに就任します。
世界企業ソニーのトップとして、
英語で経営をする立場
まで到達したわけです。
平井一夫さんの英語が「ネイティブっぽく聞こえる」3つの理由
僕が平井さんの英語を見ていて特に感じるのは、次の3つです。
1.英語の語順のまま話している
日本人英語学習者に多いのが、
日本語を作ってから英語に翻訳する
話し方です。
平井さんの場合、それがほとんど感じられません。
話しながら考え、そのまま次の英文につなげています。
これは、長期間にわたって英語を実際のコミュニケーションで使ってきた人に見られる大きな特徴です。
参考記事:僕の英語脳はこうして作られた|発音・リエゾン・英語漬け生活で起きた変化
2.文章ではなく「かたまり」で話している
ネイティブや非常に流暢な英語話者は、一語ずつ英文を組み立てません。
たとえば、
At the end of the day…
The way I look at it…
What we need to do is…
のようなフレーズのかたまりを使いながら話します。
こうしたまとまりが瞬時に出てくることで、会話のスピードが上がります。
平井さんの英語も、この感覚にかなり近いです。
参考記事:英語スピーキングの瞬発力を劇的にアップさせる実践トレーニング4選
3.英語で「キャラクター」を出せる
これが一番レベルが高いと思います。
英語上級者でも、
正しい英語は話せるけれど、その人らしさが消えてしまう
ことがあります。
ところが平井さんは、
ユーモアを入れたり、
間を取ったり、
強調したり、
表情を変えたりしながら話します。
つまり、
英語を話しているときも「平井一夫」という人物のまま
なんですよね。
これはかなり高いレベルの言語運用能力です。
英語コーチとして感じる、平井一夫さんの英語力の本質
ここからは、英語コーチング事業を運営し、多くの日本人英語学習者を見てきた立場から、少し考えてみたいと思います。
僕自身が英語を習得してきた経験、そして実際に受講生をサポートしてきた経験から感じるのは、
日本人は「英語を知らない」のではなく、「英語を使う経験が足りない」ケースが非常に多い
ということです。
日本人に足りないのは、インプットよりアウトプット
僕がRYO英会話ジムでアウトプットを重視しているのも、もともとは自分自身の英語学習経験がきっかけです。
英語を習得していく中で、
「結局、使わないと話せるようにならない」
と強く感じました。
日本人は、
単語を覚える。
文法を勉強する。
英文を読む。
こうしたインプットはかなり得意です。
一方で、
覚えた英語をどう口から出すのか。
間違えたあと、どう改善するのか。
という「アウトプットの方法」については、あまり体系的に学んできません。
だからこそ、僕は英語学習ではインプットを増やすだけではなく、
アウトプットをどう捉え、どう練習するかを学ぶことが重要
だと考えています。
平井さんのキャリアを見ると、まさにその究極版ですよね。
幼少期から英語を「勉強するもの」ではなく、
人とコミュニケーションするための道具として大量に使ってきた。
この差は非常に大きいと思います。
TOEICが高くても話せない。その理由は意外とシンプル
英語コーチングをしていると、
「単語も文法も知っている」
「TOEICのスコアも高い」
「英文を読めば理解できる」
それなのに、実際の会話になると言葉が出てこない方に出会います。
その原因はいろいろありますが、僕が現場で感じる一番大きな理由はとてもシンプルです。
話している量が少ない。
結局、これに尽きます。
野球のルールやバッティング理論を何百時間勉強しても、実際にバットを振らなければ打てるようにはなりません。
英語もかなり似ています。
頭の中にある知識と、
瞬間的に口から出せる英語
は別物です。
だからこそ、英語を話せるようになりたいのであれば、ある程度の量を実際に話す必要があります。
伸びる人ほど「話す→改善する」を繰り返している
一方で、短期間でもどんどん話せるようになる受講生には共通点があります。
それは、
とにかく話すこと。
そして、話して終わりにしないことです。
たとえばレッスンで、うまく言えなかった表現があったとします。
そこで、
「今日はうまく話せなかったな」
で終わるのではなく、
「次はどう言えばもっと伝わるだろう?」
と考えて、次回の課題にする。
そしてまた話す。
間違える。
直す。
また使う。
このサイクルを回せる人は、本当に伸びるのが速いです。
僕がこれまで見てきた中でも、英語力が伸びる人は、特別な才能があるというより、
行動力がある人
という印象があります。
RYO英会話ジムでも「話す→可視化→改善」を繰り返す
僕たちのレッスンでも、基本的な考え方は同じです。
レッスンでは、
話す
↓
発言内容を可視化する
↓
間違いや、もっと自然な言い方を確認する
↓
改善する
という流れを繰り返します。
そしてレッスン外では、
音読やライティング
を使って復習します。
一度理解した表現をもう一度声に出したり、自分で文章を作ったりして、少しずつ自分のものにしていきます。
つまり、
話す → 気づく → 直す → 練習する → また話す
という循環です。
英語をただ学ぶのではなく、
英語を使える状態へ近づけていくトレーニング
と考えたほうが近いかもしれません。
「英語が話せる」と「英語で仕事ができる」は別物
そして、平井一夫さんの英語を見ていて、もう一つ強く感じることがあります。
それは、
英語が話せることと、英語で仕事ができることは同じではない
ということです。
僕自身、受講生を見ていてもここは非常に重要だと感じます。
仕事で本当に英語を使える人は、単に英文を流暢に話せるだけではありません。
たとえば、
論理的に話す場面
何が重要なのかを整理し、相手が理解しやすい順番で伝える。
自己主張する場面
自分の意見をはっきり伝えながらも、相手を否定しすぎない。
傾聴する場面
相手の話を理解し、質問したり、言い換えたりしながら会話を深める。
関係構築する場面
雑談や共感、ユーモアなどを使って相手との距離を縮める。
こうしたコミュニケーション能力が高い人ほど、英語を仕事で使う力も高いと感じます。
逆に、どれだけ流暢に英語を話せても、ここが弱ければ、
「英語は話せる。でも仕事のコミュニケーションとしては弱い」
という状態になってしまいます。
これは考えてみれば、日本語でもまったく同じですよね。
日本語をネイティブとして話せるからといって、
誰もがプレゼンが上手なわけではありません。
誰もが交渉が上手なわけでもありません。
誰もが人間関係を築くのが上手なわけでもありません。
言語能力とコミュニケーション能力は、重なる部分はあっても別のスキルです。
平井一夫さんの本当にすごいところは「英語力+コミュニケーション力」
だから僕は、平井一夫さんのすごさを、
「英語がネイティブ級だから」
だけで説明するのは少しもったいないと思っています。
もちろん、英語力そのものは非常に高いです。
しかし、それ以上に、
英語を使って相手に伝える。
相手の話を聞く。
人間関係を築く。
自分の考えを主張する。
組織を動かす。
というコミュニケーション能力がある。
だからこそ、北米のPlayStation事業を率い、最終的にはグローバル企業ソニーのトップまで務めることができたのでしょう。
英語学習者が平井さんから学ぶべきなのも、発音の美しさだけではありません。
目指したいのは、
「英語を上手に話せる人」ではなく、「英語を使って人と仕事ができる人」
なのだと思います。
日本人が真似すべきなのは「海外経験」ではなく「環境」
ここで、
「でも平井さんは帰国子女だから、自分には関係ない」
と思うかもしれません。
確かに、幼少期から海外で生活した経験は大きなアドバンテージです。
これは否定できません。
ただ、英語習得の仕組みを見ると、僕たちにも十分参考になります。
平井さんがやってきたことをシンプルにすると、
大量に聞く
↓
大量に使う
↓
実際の相手とのコミュニケーションで修正する
↓
また使う
というサイクルだからです。
これは大人になってからでも再現できます。
僕自身も「英語は運動に近い」と感じた
僕自身も英語を学び始めた頃、
「英語って運動に近いな」
と感覚的に思いました。
そこで、教材を使って1日10回ほど音読する習慣を約3年間続けました。
その結果、
- 英語の発音
- リズム
- フレーズの瞬発力
- 英語の語順で理解する感覚
がかなり身につきました。
もちろん、平井さんのように幼少期から英語環境で育つのと同じにはなりません。
でも、
英語に触れる回数と、実際に口から出す回数を増やす
ことは誰でもできます。
そして僕自身、海外勤務や英語を使う仕事を経験して改めて感じました。
英語は、
知識量だけでは話せるようになりません。
知っている英語を、
何度も実際に使うことで「自分の英語」に変えていく必要があります。
まとめ:平井一夫さんの英語力は「環境 × 圧倒的な実践量」の結果
平井一夫さんがなぜ、ほぼネイティブ級の英語を話せるのか。
その背景をまとめると、
幼少期からアメリカ・カナダなど海外で生活
↓
現地校で英語を実際に使う
↓
ASIJで英語環境を継続
↓
ICUで多様なバックグラウンドの人と学ぶ
↓
アメリカでPlayStation事業を経営
↓
グローバル企業ソニーのCEOへ
という、圧倒的な英語環境があります。
だから、
「どんな英語教材を使ったのか?」
というより、
「どれだけ英語を使って生きてきたのか?」
を見るほうが、平井さんの英語力を理解しやすいでしょう。
そしてこれは、僕たち英語学習者にとっても重要なヒントです。
英語は、知識を増やすだけでは話せるようになりません。
聞く。話す。間違える。直す。また話す。
結局、この繰り返しです。
海外育ちでなくても、意識的にこの環境を作ることはできます。
「英語を学ぶ時間」を増やすより、「英語を使う時間」を増やす。
さらにビジネスで使うのであれば、
論理的に伝える力、自己主張、傾聴、関係構築
まで含めて鍛えていく。
そこまでできて初めて、
「英語が話せる」から「英語で仕事ができる」
へ変わっていくのだと思います。
平井一夫さんの英語力は、その一つの完成形として非常に参考になる存在です。






































