こんにちは、RYO英会話ジムです。
先日、ある受講者さんのスピーキングテスト後に、25分ほどのフィードバック・コンサルテーションを行う予定がありました。
今回のテストでは、単に英語の文法や表現を見るのではなく、ビジネスの場でどれだけ相手に伝わる話し方ができているかを中心に確認しました。
英語学習というと、どうしても
「文法が合っているか」
「単語が正しいか」
「発音がきれいか」
に意識が向きがちです。
もちろん、それらも大切です。
でも、ビジネス英語の現場では、それ以上に大事なことがあります。
それが、コミュニケーションとして機能しているかどうかです。
つまり、
結論が伝わるか
理由がわかりやすいか
相手の意見を受け止められているか
自分の意見を相手に配慮しながら伝えられているか
こういった部分です。
今回のテストを通して、あらためて「英語が話せる」と「相手に伝わる」は少し違うのだと感じました。
今回見たのは、英語力だけではなく「伝える力」
今回のスピーキングテストでは、大きく3つの形式で話していただきました。
1つ目は、ロールプレイ。
部門マネージャーとして、社員研修やプロフェッショナル開発への投資を上層部に提案する場面です。
2つ目は、ディスカッション。
キャリア成長や継続学習、今後必要になるスキルについて意見交換する内容です。
3つ目は、ディベート。
「社員をフルタイムでオフィス勤務に戻すべきか」というテーマについて、自分の立場を決めて意見を述べる内容でした。
どれも、実際のビジネスシーンで起こり得る内容です。
そして、今回特に意識して見たのは、以下の4つの観点でした。
ロジカルに話せているか
自分の意見を主張できているか
相手の話を聞き、会話を深められているか
相手との関係性を保ちながら話せているか
この4つは、英語力というより、英語を使ったコミュニケーション力に近いものです。
ロールプレイで見えた課題:提案内容はある。でも「経営判断しやすい形」にする必要がある
ロールプレイでは、社員研修への投資を上層部に提案する場面でした。
受講者さんは、社員のパフォーマンス向上や業務効率の改善、残業増加への対応などを理由に、研修投資の必要性を説明していました。
提案内容としては、たとえば次のようなものです。
E-learningの導入
社員が自分に合った研修を選び、スキルアップできるようにする。
英語コミュニケーション研修
グローバルに商品を販売していくために、英語で商品を説明できる人材を増やす。
マーケティングツールの研修
顧客の声を集めるためのツールを使いこなせるようにする。
方向性としてはとても良かったです。
ただ、上層部に提案する場面では、単に「研修が必要です」と伝えるだけでは不十分です。
相手が知りたいのは、
なぜ今必要なのか
会社にどんなメリットがあるのか
費用に見合う効果はあるのか
予算リスクをどう抑えるのか
という点です。
特に今回の場面では、上層部から「予算が限られている中で、なぜ今この費用を使う必要があるのか」という懸念が出ました。
そのときに大事なのは、ただ「必要です」と押し切ることではありません。
まず相手の懸念を受け止めたうえで、たとえば、
小さく始める
効果を測る
成果が見えたら拡大する
というように、相手が判断しやすい形で提案することです。
このように考えると、英語の問題というより、提案の組み立て方の問題でもあります。
ディスカッションで見えた強み:相手の意見に反応しながら、自分の考えを広げられる
次のディスカッションでは、キャリア成長とプロフェッショナル開発について話しました。
話題としては、
継続学習の重要性
今後必要になるスキル
AI活用
critical thinking
顧客の声を理解する力
マネジメントやメンタル面のサポート
などが出てきました。
受講者さんは、今後伸ばしたいスキルとして、critical thinkingや顧客の声を理解する力を挙げていました。
これは非常に良い視点だと思います。
なぜなら、これからの時代は、ただ情報を持っているだけでは不十分だからです。
AIを使えば、情報を整理したり、たたき台を作ったりすることはかなり簡単になっています。
でも、その答えが本当に顧客に合っているのか。
自社の状況に合っているのか。
競合と比べて、どう差別化できるのか。
そこを考えるには、やはりcritical thinkingが必要です。
受講者さんも、AIを使うことの重要性を認めながら、単にAIの答えを使うだけではなく、自分で判断する力が必要だという方向で話していました。
ここはとても良かったです。
また後半では、AIスキルだけでなく、部署内のメンバーを支えるために、心理学やメンタル面の知識も学びたいという話も出てきました。
これは、単なる英語学習の話を超えて、将来のリーダーとしてどう成長していくかという視点にもつながっています。
ディベートで見えた良さ:相手の反対意見を受け止めながら、自分の立場を守れていた
最後のディベートでは、
「会社は社員にフルタイムでオフィス勤務を求めるべきか」
というテーマで話しました。
受講者さんは、フルタイム出社に賛成の立場でした。
主な理由は2つです。
対面コミュニケーションが業務効率を高めること
会社文化やノウハウを維持しやすいこと
一方で、相手側は在宅勤務のメリットを主張しました。
たとえば、
通勤時間が減る
ワークライフバランスが改善する
Zoomなどでもコミュニケーションは取れる
社員の幸福度が上がる可能性がある
といった意見です。
ここで良かったのは、受講者さんが相手の意見を一度受け止めたことです。
在宅勤務にはメリットがある。
通勤が減ることや、ウェルビーイングが改善することは確かに大切。
そのうえで、自分の意見として、
オンライン会議では話せても、会議後のちょっとした相談がしにくい
オフィスにいれば、必要なときにすぐ同僚に相談できる
小さな相談の積み重ねが、長期的に生産性に影響する
という主張をしていました。
これはかなり実務的で良い視点です。
単に「オフィスの方が良い」と言うのではなく、
会議外で起こる自然なコミュニケーションの価値に触れられていたからです。
また、会社文化やコンプライアンス、ノウハウの継承という観点も出ていました。
在宅勤務では、業務そのものは回っても、会社の価値観や仕事の進め方が自然に伝わりにくい面があります。
このあたりに触れられていたのは、マネージャー視点として良かったです。
総合評価:英語で考えを伝える土台はある。次は「構成力」
今回の受講者さんは、第二言語話者として見ると、自分の意見を英語で伝えようとする力がしっかりありました。
特に良かったのは、以下の点です。
沈黙せずに話を続けられる
自分の意見を出そうとする
相手の意見に感謝や共感を示せる
反対意見を受けても、すぐに主張を諦めない
これは大きな強みです。
一方で、今後さらに伸ばすなら、課題は構成力です。
具体的には、
結論を先に言うこと
理由を整理すること
理由のあとに具体例を入れること
相手の意見を要約してから返すこと
このあたりです。
たとえば、英語で話すときに、次の型を使うだけでもかなり伝わりやすくなります。
Conclusion → Reason → Example → Question
日本語にすると、
結論 → 理由 → 具体例 → 相手への質問
です。
たとえば、
I agree that employees should return to the office full-time.
まず結論を言う。
The main reason is that face-to-face communication helps us solve problems faster.
次に理由を言う。
For example, if I have a small question, I can immediately ask my colleague in the office.
そのあと具体例を入れる。
What do you think about that?
最後に相手へ質問する。
これだけで、話の流れがかなり整理されます。
「正しい英語」だけではなく「伝わる英語」を育てる
今回のフィードバックを通して、あらためて感じたのは、ビジネス英語では正しい英語を話すことだけがゴールではないということです。
もちろん、文法や語彙は大切です。
でも、それ以上に大切なのは、相手が理解しやすい形で話すことです。
たとえば、
何を言いたいのかが最初にわかる
理由が整理されている
具体例がある
相手の意見をちゃんと聞いている
反論しても、関係性を崩さない
こうした力があると、英語は一気に「仕事で使える道具」になります。
英語を話すとき、多くの方が「間違えないように」と考えます。
でも、本当に大事なのは、間違えずに話すことよりも、相手に伝わるように話すことです。
そして、その力は練習で伸ばせます。
まとめ
今回のスピーキングテストとフィードバックを通して見えたポイントは、次の3つです。
1. 英語が話せることと、相手に伝わることは少し違う
ただ英語で話すだけでなく、結論・理由・具体例の流れがあると、相手に伝わりやすくなります。
2. ビジネス英語では、相手への配慮も大切
自分の意見を言うだけでなく、相手の意見を受け止めることで、会話がスムーズになります。
3. 課題は「英語力」だけではなく「構成力」にあることも多い
単語や文法だけでなく、話の組み立て方を練習することで、伝わり方は大きく変わります。
英語は、完璧に話すためのものではありません。
自分の考えを伝え、相手と理解し合い、仕事を前に進めるためのものです。
RYO英会話ジムでは、これからも単なる文法添削だけではなく、実際のビジネスシーンで使える「伝わる英語」を大切にしながら、受講者さん一人ひとりをサポートしていきたいと思います。






































