「話せるけれど、あと一歩」だった受講生が、ステージ5を目指すために取り組んだこと
こんにちは、RYO英会話ジムのリョウです。
今回は、実際に行ったスピーキングテストと、その後のコンサル内容をご紹介します。
今回テストを受けたのは、現在アメリカで生活している受講生の方です。
日常生活では英語を使う機会があり、質問の内容もほぼ問題なく理解できます。自分の経験についても、ある程度まとまった量を話せるレベルでした。
一方で、テスト音源を詳しく確認すると、
「十分に話せているけれど、ステージ5に進むには、あと少しだけ精度を上げたい」
という状態でした。
英語がまったく話せないわけではありません。
むしろ、英語でのコミュニケーション力は高く、かなり良い位置まで来ています。
だからこそ今回は、基礎からやり直すのではなく、細かな文法ミスと自然な言い回しに焦点を当てました。
今回のスピーキングテストの内容
テストでは、主に次の3つの課題に取り組んでもらいました。
1.自己紹介
初対面の相手に向けて、仕事、家族、趣味、最近うれしかった出来事などを話します。
受講生の方は、アメリカで暮らしていることや、スポーツ観戦、独立記念日の花火を見に行った経験について話してくれました。
単なる自己紹介で終わらず、現地で感じた雰囲気や、自分が楽しみにしていたことまで話せていたのが印象的でした。
2.質問への回答
次のような質問に、最低2文以上で答えてもらいました。
- 最近ハマっていること
- 挑戦してよかったこと
- ストレスを感じたときのリラックス方法
- 1週間だけ体験してみたい仕事
- 周囲の人が意外に思う自分の一面
アメリカンフットボールや野球、自宅でのうどん作り、ランニング、ヨガ、エスプレッソマシンなど、どの質問にも自分の経験を使って答えられていました。
特に、自分でうどんを作った話では、
最初は麺をうまく切れず、太くなりすぎて食べにくかったこと、何度か挑戦するうちに上達したことまで説明できています。
質問に答えるだけではなく、具体的なエピソードまで話せることは、大きな強みです。
3.まとまったスピーチ
「自分の人生に影響を与えた人」というテーマで、姉について話してもらいました。
剣道を始めたこと、不動産関係の資格を取ったこと、困ったときに相談していることなど、自分の人生に姉がどのような影響を与えたのかを、具体例を使って説明できていました。
話の途中で表現に迷う場面はありましたが、そこで諦めることなく、言葉をつなぎながら最後まで伝えようとしていました。
この姿勢は、スピーキングではとても重要です。
全体評価は「AとBが中心」
今回の評価は、次のようになりました。
| 評価項目 | 評価 | 主な評価ポイント |
|---|---|---|
| 積極性 | A | 発話量が多く、自分の経験を使って会話を広げられる |
| 流暢さ | B | 文で話せており、会話のテンポも良い。言い直しはあるが、意思疎通には大きな問題がない |
| ボキャブラリー | B | 知っている単語を活用できる一方、自然な言い回しには伸びしろがある |
| グラマー | B | 基本文法を使って話せるが、時制・冠詞・前置詞など細かなミスが残る |
| リスニング | A | 質問や追加質問の意図を理解し、適切に答えられる |
特に良かったのは、積極性とリスニングです。
質問に対して短く終わらせず、自分の経験を加えて話せていました。また、講師からの追加質問にも対応できており、会話の流れをきちんと理解できています。
さらに、今回の音源では、以前よりも話すテンポが良くなっていました。
少し言い直しがあっても、話す流れが大きく止まらず、第二言語として英語を話す人としては、十分にスムーズなコミュニケーションができています。
あと一歩でステージ5。その課題とは?
今回の結果を確認したうえで、30分程度のコンサルを行いました。
最初の約10分では、現在の学習状況やテストの感想、今後英語をどのように使っていきたいかを聞きます。
その後、今回のテスト結果を共有しました。
お伝えしたのは、
「すべての項目でレベルは高い。ただし、ステージ5に進むためには、文法の細部と自然な表現をもう少し整えたい」
ということです。
今回の主な課題は、次の2つでした。
課題1.文法は「大きなミス」より「細かな精度」
文法については、英文を作れないわけではありません。
実際に、ほとんどの場面で主語と動詞を使い、まとまった文で話せています。
課題は、次のような細かな部分です。
- be動詞の抜け
- 時制のずれ
- 単数と複数
- 冠詞
- 前置詞
- 過去と過去完了の使い分け
たとえば、次のような発言がありました。
I now enjoying baseball.
意味は十分に伝わりますが、正しくは次の形です。
I’m enjoying baseball now.
このようなミスは、コミュニケーションを大きく止めるものではありません。
しかし、ステージ5を目指す段階では、「伝わる英語」から「違和感の少ない英語」へ進むことが必要になります。
課題2.語彙は「難しい単語」より「自然な言い回し」
語彙力についても、単語を知らないわけではありません。
むしろ、知っている単語を使いながら、自分の言いたいことを何とか伝える力があります。
ただし、日本語の発想をそのまま英語にすると、少し不自然になる場面がありました。
たとえば、姉と似た人生を歩んでいることを表そうとして、
I’m walking the same way as her.
という趣旨の発言がありました。
意味は想像できますが、英語では次のように言うと自然です。
I’m following in her footsteps.
「誰かと同じ道を進む」「影響を受けて似た選択をする」という意味で、よく使われる表現です。
この段階では、難しい英単語を大量に覚えるよりも、
自分がよく話すテーマについて、自然な言い回しを増やすこと
のほうが効果的です。
コンサルでは、聞くだけで終わらせない
RYO英会話ジムのコンサルでは、評価結果を一方的に説明して終わりにはしません。
今回は最後に、語彙と文法のミニワークを行いました。
目的は、ただ正解を知ることではありません。
自分で考え、間違いに気づき、なぜ間違いなのかを説明できる状態を作ることです。
語彙のミニワーク
まずは、日本語を英語にしてもらいます。
たとえば、次のような文です。
姉の影響で、不動産の資格を取りました。
シンプルに言うなら、
I got my real estate license because of my sister.
でも伝わります。
ただ、より具体的で自然にすると、
I got my real estate license because my sister had done it first, and I was influenced by her.
と言えます。
もう一つの例はこちらです。
小学生の頃、いろいろなスポーツをしていました。
基本的には、
I played many sports when I was in elementary school.
でも問題ありません。
より自然に話を広げるなら、
I was very active as a child. I joined several sports clubs when I was in elementary school.
と表現できます。
このように、自分が最初に作った英文と、より自然な英文を比較することで、表現の引き出しを増やしていきます。
文法のミニワーク
文法ワークでも、日本語を英語にしてもらいます。
今回扱ったのは、次のような文です。
ニューヨークに住み始めてから、アメフトに興味を持つようになりました。
模範回答は、
I’ve become interested in American football since I moved to New York.
です。
ここでは、現在完了とsinceの使い方を確認します。
sinceの後ろには、物事が始まった時点を表す過去形が来るため、
since I moved to New York
となります。
次はこちらです。
姉が先に始めていたので、私も剣道を始めました。
模範回答は、
Because my sister had already started kendo, I decided to take it up too.
です。
姉が始めたのが先で、その後に自分が始めているため、先に起こった出来事を過去完了で表せます。
ただし、実際の会話では、
My sister started kendo before me, so I decided to start too.
のように、よりシンプルに表現しても問題ありません。
大切なのは、難しい文法を無理に使うことではなく、時系列を意識して正しく伝えることです。
自分のミスを説明できると、同じミスが減っていく
文法ワークでは、英語にしてもらったあと、こちらからすぐに正解を伝えません。
まず、
どこか修正したほうがよい部分はありますか?
と聞きます。
さらに、
なぜこの時制になると思いますか?
なぜここにはbe動詞が必要ですか?
なぜ単数ではなく複数になりますか?
と質問します。
自分のミスを見つけて、その理由まで説明できるようになると、文法が単なる知識ではなくなります。
次に話すとき、自分で気づける文法へと変わっていきます。
これは、細かなミスを減らしていくうえで、とても大切な考え方です。
発音は、速さより「明確に伝える意識」
今回、話すテンポは前回より良くなっていました。
一方で、一部の単語は発音が不明瞭で、音源だけでは聞き取りにくいところがありました。
英語をスムーズに話せるようになると、速く話すことを意識しすぎて、一つひとつの単語が弱くなることがあります。
しかし、会話で大切なのは、ネイティブのような速さではありません。
相手が聞き取れるように、重要な単語を明確に伝えることです。
少しゆっくりになったとしても、
- 語尾まで発音する
- 重要な単語を少し強く言う
- 文を短く区切る
- 伝わっているか相手の反応を見る
このような意識を持つだけで、英語はかなり伝わりやすくなります。
ステージ5は、十分に到達できる位置にある
今回の受講生の方は、すでに英語で会話を成立させる力があります。
発話量も多く、質問も理解でき、自分の経験について具体的に話せています。
今後必要なのは、英語をゼロから作り直すことではありません。
- 文法の細かなミスに自分で気づく
- よく話すテーマの自然な言い回しを増やす
- 一つひとつの単語を明確に発音する
この3点を整えることで、ステージ5は十分に到達できる範囲です。
英語学習では、ある程度話せるようになったあとに、
「何を改善すれば、次のレベルに進めるのかわからない」
という時期がやってきます。
その段階では、単に英会話の回数を増やすだけでは、同じミスや同じ表現を繰り返してしまうことがあります。
だからこそ、実際の発話を確認し、課題を見える化して、必要な練習に落とし込むことが大切です。
RYO英会話ジムでは、テストの点数だけをお伝えするのではなく、
実際にどこでつまずいているのか、次に何を練習すればよいのかまで具体的にお伝えしています。
「話せるようにはなったけれど、ここからどう伸ばせばよいかわからない」
そんな方にとって、今回の事例が少しでも参考になればうれしいです。





































