こんにちは、RYO英会話ジムのリョウです。
今回は、実際にスピーキングテストを受けていただいたある受講者の事例から、「英語をある程度話せる人が、次にぶつかりやすい壁」について紹介します。
※この記事では、プライバシー保護のため、受講者の氏名・勤務先・居住地・具体的な個人情報などは伏せ、一部内容も一般化して紹介しています。
今回の受講者について
今回ご紹介するのは、仕事でも英語力を必要としており、継続的にスピーキング力を伸ばしている社会人の方です。
基本的な英文を作る力はあり、自分の仕事や経験についてもある程度まとまった英語で説明できます。
一方、今回のテストを通して特に見えてきたのが、
「準備時間があると話せるけれど、その場で質問されると英語が止まりやすい」
という課題でした。
これは、実は中級レベル前後の英語学習者によく見られるパターンです。
テスト① 準備時間がある自己紹介では、かなり話せる
最初の課題は、
「初対面の相手に、自分自身について紹介する」
というものでした。
1分間の準備時間を設けたうえで、
- 自分について
- 仕事について
- 趣味について
- 最近うれしかった出来事
などを自由に話してもらいました。
このパートでは、かなりしっかりと英語を組み立てることができていました。
仕事についても、単に、
I work for a company.
と終わるのではなく、
仕事内容や自分の役割、人との関わりまで説明できています。
また、
現在完了・関係代名詞・動名詞などを使った比較的長い英文
も自然に出ていました。
細かな前置詞や単数・複数、時制などにはミスがあるものの、相手に伝えるという意味では十分なスピーキング力があります。
つまり、
「英語そのものを知らない」のではありません。
ここが今回の重要なポイントです。
テスト② 準備なしの質問になると、一気に難しくなる
次に行ったのが、準備時間なしのQ&Aです。
たとえば、
「最近ハマっていることは?」
「やってみて良かったと思うことは?」
「ストレスを感じたとき、どうリラックスする?」
といった質問に、その場で2文以上で答えてもらいました。
すると、最初のスピーチとはかなり違う特徴が出てきました。
考えながら、
Well…
Let me see…
Just a moment…
などを使い、何とか話を続けようとはするものの、途中で文の組み立てが崩れる場面が増えたのです。
たとえば、
「上司に自分の気持ちを伝えて、関係を改善できた経験」
について話そうとした際にも、
言いたい内容自体はしっかりしているのですが、
英語に変換する段階で時間がかかってしまう。
ここに大きな課題が見えました。
「知っている英語」と「瞬間的に使える英語」は違う
今回のテストで改めて感じたのは、
英語の知識量と、実際の会話力は必ずしも比例しない
ということです。
準備する時間があれば、
「こういう構成で話そう」
「この表現を使おう」
と考えることができます。
でも実際の会話では、そうはいきません。
相手から突然、
「最近何に興味がありますか?」
「なぜそう思うんですか?」
「具体的には?」
と聞かれます。
その瞬間に、
英語をゼロから組み立てなければならない。
ここで止まってしまう人は少なくありません。
実は「話せない」のではなく、「取り出すスピード」が遅い
今回の受講者も、質問の内容自体はかなり理解できています。
つまり、リスニングが大きな問題というわけではありません。
また、自分の考えそのものがないわけでもありません。
日本語なら、おそらくすぐ説明できます。
問題は、
頭の中にある英語を、会話のスピードで取り出せないこと。
です。
英語学習では、この差を理解することがとても重要だと思っています。
単語帳を覚える。
文法問題を解く。
英文を読む。
もちろん、どれも大切です。
しかし、それだけでは、
「質問された瞬間に英語で返す力」
までは十分に鍛えられないことがあります。
文法ミスがあっても、まず「最後まで話す力」は大きな強み
今回、もう一つ印象的だったのが、途中で英語が出てこなくても諦めなかったことです。
言い直したり、別の表現を探したりしながら、最後まで自分の考えを伝えようとしていました。
これは非常に大切です。
実際のコミュニケーションでは、
文法を100%正しく話すことよりも、
多少間違っていても、相手とコミュニケーションを続けること
のほうが重要になる場面はたくさんあります。
今回も、
- 動詞の形
- 三単現
- 前置詞
- 単数・複数
- 不自然な語彙選択
など、細かなミスはいくつかありました。
ただ、それによって会話そのものが成立しなくなるケースは多くありませんでした。
だからこそ、この段階では、
「間違えないように話す」よりも、「英語を止めずに組み立てる」
ことを優先したほうが伸びやすいと考えています。
Paragraph Speechでは「構成力」が強みとして見えた
最後には、
「自分の人生に影響を与えた人について話す」
というスピーチにも挑戦してもらいました。
ここでは2分間の準備時間がありました。
すると、
「まず1つ目の理由」
「次に2つ目の理由」
「最後の理由」
という形で、かなりきれいに話を構成できていました。
多少言い直す場面はあるものの、
結論 → 理由 → 具体例 → まとめ
という流れを作る力があります。
つまり今回の受講者の場合、
「話を論理的に構成する力」は比較的強い。
一方で、
「瞬間的に英文を作る力」に改善余地がある。
ということが分かりました。
こうして細かく見ていくと、単純に、
「スピーキングが苦手」
「文法が弱い」
だけでは説明できないんですよね。
今後伸ばしたいのは「瞬発力」と「基礎文法の自動化」
今回のケースで、今後特に伸ばしていきたいポイントは大きく2つです。
1. 質問に3秒以内で答え始める練習
完璧な文章を頭の中で完成させてから話すのではなく、
I think…
For me…
One thing I really enjoy is…
The main reason is…
などの簡単な入り口から、まず話し始める。
その後で理由や具体例を付け足します。
この練習を繰り返すことで、「考えてから話す」から「話しながら考える」へ少しずつ変えていきます。
2. 基本文法を「考えなくても使える状態」にする
今回見られたミスの多くは、難しい文法ではありません。
たとえば、
- 動詞の形
- 時制
- 前置詞
- 三単現
- 単数・複数
といった基本部分です。
これは「文法を知らない」というより、
会話中に文法まで意識を回せていない
可能性があります。
だからこそ、文法問題をさらに大量に解くというより、
基本文法を使って何度も実際に話すこと
のほうが重要になってきます。
スピーキングテストは「点数をつけるため」だけではない
今回のようなテストを行う一番の目的は、単純に、
「あなたは7点です」
「文法は6点です」
と評価することではありません。
本当に大切なのは、
「どんな場面なら話せて、どんな場面になると話せなくなるのか」
を見つけることです。
今回のケースで言えば、
準備時間あり
→ 比較的長く、構成を作って話せる
準備時間なし
→ 文の組み立てに時間がかかり、流暢さ・文法精度が落ちる
という違いがはっきり出ました。
これが分かれば、次にやるべきトレーニングもかなり具体的になります。
まとめ|「英語力」ではなく、「どこで止まるのか」を見る
今回の受講者は、決して英語が話せないわけではありません。
むしろ、仕事・趣味・経験・家族について、ある程度まとまった内容を英語で伝えられる力をすでに持っています。
その一方で、準備なしの質問になると、
英語を組み立てるスピードが追いつかなくなる。
今回見えた一番大きな課題は、ここでした。
英会話を伸ばすとき、
「もっと単語を覚えよう」
「もっと文法を勉強しよう」
だけではなく、
自分は会話のどの瞬間で止まっているのか?
を見ることがとても大切です。
単語なのか。
文法なのか。
リスニングなのか。
それとも、今回のように瞬間的に文章を組み立てる力なのか。
課題が違えば、当然トレーニング方法も変わります。
RYO英会話ジムでは、こうした実際の発言を「見える化」しながら、
なんとなく英会話を続けるのではなく、一人ひとりの「話せない原因」を具体的に見つけ、改善していくこと
を大切にしています。
英語を勉強しているのに、なぜか会話になると止まってしまう。
そんな方は、一度、
「自分はどこで止まっているんだろう?」
という視点から、自分のスピーキングを振り返ってみると、新しい課題が見えてくるかもしれません。








































