こんにちは、RYO英会話ジムのリョウです。
英語を聞いていて、
「知っている単語なのに聞こえない」「書いてある通りに発音していないように聞こえる」
ことはありませんか?
例えば、
Please send me the file.
I’ve found my key.
という簡単な英文でも、自然なスピードで話されると、
「please の最後の音が聞こえない」
「I’ve の v はどこへ行った?」
と感じることがあります。
でも、これは単語を間違って発音しているわけではありません。
英語は文章になると、前後の音が影響し合い、音が弱くなったり、似た音に近づいたり、境目が分かりにくくなったりするからです。
こうした現象は「connected speech(連結音声)」の一部です。
この記事では、
- please send が「プリーズ・センド」に聞こえない理由
- I’ve found の v が聞こえにくくなる理由
- 英語で音が消える・変わる仕組み
- 単語は知っているのにリスニングできない理由
- 音の変化を聞き取る練習方法
- 自分でも自然に発音するためのコツ
を、実際の音声を使いながら解説します。
- 1 結論|英語は「単語を一語ずつ」発音していない
- 2 please send の「ズ」が聞こえないのはなぜ?
- 3 「please」のzが完全に消えるとは限らない
- 4 please send me the file でも確認してみよう
- 5 I've found の「v」が聞こえないのはなぜ?
- 6 「I've found」が“I found”のように聞こえることもある
- 7 I've found my favorite outfit でも聞いてみよう
- 8 そもそも、なぜ英語では音が消えたり変わったりするの?
- 9 英語の音が変わる代表的な4つのパターン
- 10 「ネイティブが速すぎる」のではなく、知っている音と違う可能性がある
- 11 僕自身も「単語は分かるのに聞こえない」経験を何度もした
- 12 発音学習は「ネイティブっぽく話すため」だけではない
- 13 完璧に「ネイティブ発音」を再現する必要はない
- 14 音の変化を聞き取るおすすめ練習法
- 15 練習してみよう|I've found
- 16 練習してみよう|please send
- 17 they've found でも同じことが起こる
- 18 please send もいろいろな場面で出てくる
- 19 「聞こえない音」を一音ずつ探しすぎない
- 20 リスニングで大切なのは「音+文脈」
- 21 英語の音が消える・変わるときによくある質問
- 22 まとめ|「音が消えた」のではなく、前後の音と一体化していることが多い
結論|英語は「単語を一語ずつ」発音していない
英語が聞き取れない大きな理由の一つが、
頭の中にある単語の発音と、文章の中で実際に聞こえる音が違うこと
です。
例えば please を単独で発音すれば、最後には /z/ の音があります。
しかし、
Please send …
のように、すぐあとに /s/ が続くと、/z/ と /s/ をそれぞれはっきり区切って発音する必要はありません。
口や舌は次の音へすぐ移動するため、二つの音が重なり、
please の最後の /z/ がかなり弱く聞こえたり、/s/ に近く聞こえたりする
ことがあります。
同じように、
I’ve found …
では、/v/ の直後に /f/ が来ます。
この2つはどちらも唇と歯を使う非常に近い音なので、自然な会話では境目が分かりにくくなります。
つまり、
「音が消えた」というより、「次の音と重なって聞こえにくくなった」
と考える方が分かりやすいです。
please send の「ズ」が聞こえないのはなぜ?
まずは、こちらを聞いてみてください。
部下に、
正午までに報告書を送ってください。
スペルだけを見ると、
please / send
と完全に二つに分けて発音したくなります。
しかし実際には、
please の最後の /z/ と send の最初の /s/ が連続しています。
この二つは、舌の位置がほぼ同じです。
大きな違いは、/z/ では声帯を振動させ、/s/ では振動させないことです。
そのため自然なスピードでは、please の最後の /z/ が十分にはっきり有声にならず、
/s/ に近く聞こえることがあります。
「please」のzが完全に消えるとは限らない
以前この記事では、
「z が s に変わり、さらに速くなると s も消える」
と説明していました。
ただ、今ならもう少し正確に説明します。
実際の会話では、
- /z/ が弱くなる
- 部分的に無声化して /s/ に近く聞こえる
- /z/ と /s/ の境目がほとんど分からなくなる
- 結果的に一つの長い /s/ のように聞こえる
など、話者・話す速度・強調の仕方によって聞こえ方が変わります。
なので、
「必ずこの音になる」と暗記する必要はありません。
むしろ、
「please send では z と s の境界がかなり曖昧になることがある」
と知っておけば十分です。
please send me the file でも確認してみよう
次の音声も聞いてみてください。
そのファイルを送ってください。
最初は文字を見ながら聞き、
次は文字を見ずに聞いてみてください。
「please」と「send」の境目を探すより、
please send を一つの音のかたまりとして聞く
方が自然な英語を聞き取りやすくなります。
I’ve found の「v」が聞こえないのはなぜ?
次はこちらです。
友人に、
俺が見つけたもの見てよ。
I’ve の最後は /v/。
found の最初は /f/ です。
この二つの音はかなり似ています。
どちらも、
上の歯を下唇へ軽く当てて作る音
です。
違うのは、/v/ は声帯を振動させる有声音、/f/ は声帯を振動させない無声音という点です。
そのため、
I’ve found
を自然につなげて発音すると、口の形を大きく変える必要がありません。
結果として、
/v/ の有声部分がかなり短くなり、次の /f/ と一体化して聞こえる
ことがあります。
「I’ve found」が“I found”のように聞こえることもある
英語学習者にとって厄介なのはここです。
I’ve found
を文字で見れば簡単です。
でも自然なスピードでは、
I’ve の /v/ がかなり弱くなるため、
I found
に近く聞こえることがあります。
このとき、
「v が聞こえなかったから I’ve ではない」
と判断すると、リスニングで迷います。
実際の英語では、すべての音が教科書の発音記号どおりにはっきり聞こえるわけではありません。
I’ve found my favorite outfit でも聞いてみよう
ここでも、
I / have / found
と一語ずつ探さないことがポイントです。
I’ve found
をまとまりで聞いてください。
そもそも、なぜ英語では音が消えたり変わったりするの?
理由はシンプルです。
人は会話するとき、一音ずつ最大限にはっきり発音するより、口をできるだけ効率よく動かすから
です。
例えば日本語でも、
「ありがとうございます」
を日常会話では一音ずつ完全にはっきり発音しないことがあります。
英語でも同じように、
単語が文章に入ると発音が変化します。
英語の音が変わる代表的な4つのパターン
1. Linking|音がつながる
単語の最後と、次の単語の最初がつながって聞こえる現象です。
例えば、
get out
は、一語ずつ区切るよりも、
get+out が一続き
に聞こえます。
2. Assimilation|隣の音に近づく
前後の音の影響を受けて、音が変化する現象です。
例えば、
don’t you
では、/t/ と /j/ が影響し合い、別の音のように聞こえることがあります。
今回の please send や I’ve found も、
隣接する似た子音が互いに影響し合う例として理解すると分かりやすい
です。
3. Elision|音が弱くなり、聞こえなくなる
自然な発話では、一部の音がかなり弱くなったり、実質的に聞こえなくなったりします。
特に子音が連続すると、
一つ一つを完全に発音するより、一部を弱くした方が話しやすくなります。
英語では特に /t/ や /d/ が子音の間に入ると、脱落しやすいことがあります。
4. Weak forms|弱く発音される単語がある
英語では、
to
of
and
have
などの単語が、文章の中では単独のときよりかなり弱く発音されます。
これも、
単語は知っているのに聞き取れない
原因の一つです。
「ネイティブが速すぎる」のではなく、知っている音と違う可能性がある
リスニングが苦手な人から、
「ネイティブは速すぎて聞き取れません」
という相談を受けることがあります。
もちろんスピードも原因です。
でも、それだけではありません。
例えば、
please = プリーズ
send = センド
とだけ覚えていると、
自然な please send を聞いたときに、
「知っている音が来なかった」
と感じます。
つまり、
知らない単語だから聞き取れないのではなく、知っている単語が別の音に聞こえている
場合があります。
僕自身も「単語は分かるのに聞こえない」経験を何度もした
僕自身も英語を学び始めた頃、
英文を読めば簡単なのに、
音声になると全然分からない
という経験を何度もしました。
海外で実際に英語を使うようになってからも、
「今の単語、知っていたのに聞こえなかった」
ということは普通にありました。
そこで少しずつ分かってきたのが、
単語帳で覚えた一語の発音だけでは、実際の英語は聞き取れない
ということです。
文章の中でどう音が変わるかも知っておく必要があります。
発音学習は「ネイティブっぽく話すため」だけではない
音の変化を勉強すると、
「ネイティブっぽく話すための発音練習」
と思われることがあります。
でも僕は、
リスニングのためにもかなり重要
だと思っています。
自分で、
please send
I’ve found
を自然につなげて発音できるようになると、
他の人が同じように発音したときにも認識しやすくなります。
完璧に「ネイティブ発音」を再現する必要はない
一方で、
please send の z を必ず弱くしないといけない。
I’ve found の v を必ず聞こえなくしないといけない。
と考える必要もありません。
英語学習者として最優先なのは、
相手に伝わる発音をすること
です。
音を不自然に消そうとして、逆に聞き取りにくくなるくらいなら、最初は一つ一つ発音しても構いません。
まずは、
「自然な会話ではこう聞こえることがある」
と認識できれば十分です。
音の変化を聞き取るおすすめ練習法
1. まず文字を見ずに聞く
最初に音声だけを聞きます。
何と言っているか考えてみてください。
2. 英文を確認する
次に文字を見ます。
ここで、
「え、この単語だったの?」
となった場所が重要です。
3. どの音が弱くなったか確認する
please send なら z と s。
I’ve found なら v と f。
の境目に注目します。
4. 音声をまねして声に出す
一度自分でも発音してみてください。
理論だけ理解するより、実際に口を動かした方が分かりやすいです。
5. もう一度音声を聞く
自分で発音したあとに同じ音声を聞くと、
最初より音の境目が分かる
ことがあります。
練習してみよう|I’ve found
鍵を探していた相手に、
鍵を見つけたよ。
ポイントは、
I’ve / found
を完全に二つへ分けるのではなく、
唇と歯の位置を大きく変えずに次の音へ移る
ことです。
練習してみよう|please send
部下に、
ミーティングのスケジュールについてメールを送ってください。
ここでも z を強く発音しようとしすぎず、
そのまま send の /s/ へ移る
イメージで十分です。
they’ve found でも同じことが起こる
会議で、
彼らはついに取り組むべき解決策を見つけたんだ。
I’ve だけでなく、
they’ve found
we’ve found
you’ve found
などでも、/v/ と /f/ が連続します。
一つ覚えれば、別の文章でも聞き取りやすくなります。
please send もいろいろな場面で出てくる
連絡先を交換して、
メッセージを送ってください。
please send は、
仕事。
メール。
メッセージ。
ファイル共有。
などでも頻繁に使えます。
だから一つの例文だけでなく、
Please send me the file.
Please send me an email.
Please send me the details.
と中身を入れ替えて練習すると効果的です。
「聞こえない音」を一音ずつ探しすぎない
リスニングでよくあるのが、
「v が聞こえない」
「z が聞こえない」
と一音ずつ探してしまうことです。
でも実際の会話では、
すべての音を100%認識して文章を理解しているわけではありません。
単語。
文法。
前後の文脈。
状況。
なども使って意味を予測します。
そのため、
一つの子音が聞こえなかっただけで止まらない
ことも重要です。
リスニングで大切なのは「音+文脈」
例えば、
Look what I’ve found.
という場面で、
Look what I … found.
まで聞こえれば、文脈から I’ve found と理解できることがあります。
音だけに頼るのではなく、
意味を予測しながら聞く力
も実際のリスニングでは必要です。
英語の音が消える・変わるときによくある質問
please send の z は本当に消えますか?
必ず完全に消えるわけではありません。自然な発話では次の /s/ の影響で /z/ が弱くなったり無声化したりし、二つの音の境目が非常に分かりにくくなることがあります。
I’ve found の v は発音しなくてもいいですか?
意図的に削除する必要はありません。/v/ から /f/ へ自然に移ると、結果として /v/ がかなり弱く聞こえることがあります。まずは正しい口の位置を保ったままスムーズにつなげることを意識してください。
英語で音が消える現象は何と呼びますか?
音が完全に脱落する現象は一般にelisionと呼ばれます。ただし実際の英語では、linking、assimilation、weak formsなど複数の現象が重なって「音が消えたように聞こえる」場合もあります。
ネイティブ英語が聞き取れないのは音の変化が原因ですか?
原因の一つです。語彙・文法・話す速度なども影響しますが、単語単体の発音しか知らないと、connected speechになったときに知っている単語を認識できないことがあります。
音の変化は自分でも発音できるようにした方がいいですか?
聞き取り改善という意味では、自分でも一度まねしてみることをおすすめします。ただし「ネイティブらしく音を消すこと」そのものを目標にする必要はありません。まずは相手に伝わる発音を優先してください。
まとめ|「音が消えた」のではなく、前後の音と一体化していることが多い
今回は、
please send
I’ve found
を例に、自然な英語で音が聞こえにくくなる理由を解説しました。
大切なのは、
英語は単語を一語ずつ独立して発音する言語ではない
ということです。
please の /z/ と send の /s/。
I’ve の /v/ と found の /f/。
のように似た子音が隣り合うと、
音が弱くなる。
次の音に近づく。
境目が分からなくなる。
場合があります。
その結果、
「知っている単語なのに聞こえない」
という現象が起こります。
だからリスニングでは、
単語単体の発音だけでなく、
文章の中でどう聞こえるか
まで知っておくことが大切です。
まずはこの記事の音声を、
聞く。
文字を見る。
声に出す。
もう一度聞く。
の順番で試してみてください。
「ネイティブが速すぎる」と感じていた英語が、少しずつ音のかたまりとして聞こえてくるはずです。































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