目次
はじめに
英語を学んでいると、「ill」と「sick」という言葉を耳にすることが多いですよね。どちらも「病気」という意味ですが、実は使い方には違いがあります。この違いを知っていると、より自然な英語を話すことができますし、誤解を避けることもできます。そこで今回は、「ill」と「sick」の基本的な意味と、その使い分けについて詳しく説明します。
「ill」と「sick」の基本的な意味
まず、「ill」と「sick」の基本的な意味を見てみましょう。
- ill:
- 主にイギリス英語で使われることが多い言葉です。体調が悪い、病気であるという意味で使われます。一般的に、重い病気や長期間続く病気の時に使うことが多いです。
- 例文: “She has been ill for a week.”(彼女は一週間ずっと体調が悪い。)
- sick:
- 主にアメリカ英語で使われる言葉です。こちらも体調が悪い、病気であるという意味ですが、短期間の病気や軽い体調不良の時によく使います。また、「気分が悪い」という意味でも使われます。
- 例文: “I feel sick.”(気分が悪いです。)
なぜこの違いを知ることが重要なのか
この違いを知っていると、より正確に自分の状態を伝えることができます。また、文化や地域によって使い方が異なるので、現地の人と話す際にスムーズにコミュニケーションが取れるようになります。
例えば、イギリスに旅行中に体調を崩した場合、「I feel ill」と言った方が現地の人には伝わりやすいですし、逆にアメリカでは「I feel sick」と言った方が自然です。このように、場所によって適切な表現を使い分けることができれば、より効果的にコミュニケーションを図ることができます。
次のセクションでは、具体的な使い分けについてさらに詳しく見ていきましょう。
基本的な使い分け
illの使い方
いつ「ill」を使うのか
「ill」は、主にイギリス英語で使われ、重い病気や長期間続く体調不良を指すときに使います。体調が悪いという意味で使われることが多く、一般的には医療的な状況や深刻な病気に対して使われることが多いです。
例文を交えて説明
- “She has been ill for a week.”
(彼女は一週間ずっと体調が悪い。) - “He was seriously ill and had to go to the hospital.”
(彼は重い病気にかかり、病院に行かなければならなかった。) - “After eating the spoiled food, they all fell ill.”
(腐った食べ物を食べた後、彼ら全員が体調を崩しました。)
sickの使い方
いつ「sick」を使うのか
「sick」は、主にアメリカ英語で使われ、短期間の病気や軽い体調不良を指すときに使います。また、「気分が悪い」という意味でも使われます。日常的な体調不良や、一時的な不調を表現する時に使うことが多いです。
例文を交えて説明
- “I feel sick.”
(気分が悪いです。) - “He got sick after the trip.”
(彼は旅行の後で体調を崩しました。) - “She called in sick today.”
(彼女は今日は病欠の連絡をしました。) - “The child is sick with a cold.”
(その子供は風邪で体調を崩しています。)
「ill」と「sick」の基本的な使い方を理解することで、適切な状況で正しい表現を使えるようになります。次のセクションでは、さらに詳しい状況別の使い分けについて見ていきましょう。
状況別の使い分け
体調不良の表現
「I feel ill」と「I feel sick」の違い
- I feel ill:
- 「I feel ill」は、主にイギリス英語で使われ、深刻な体調不良や重い病気の際に使われることが多いです。長期間続くような体調不良を指すことが多く、症状が重い場合に使います。
- 例文: “I feel ill and need to see a doctor.”
(体調が悪いので医者に診てもらう必要があります。)
- I feel sick:
- 「I feel sick」は、主にアメリカ英語で使われ、短期間の体調不良や軽い気分の悪さを指します。一時的な体調不良や軽い症状の場合に使われることが多いです。
- 例文: “I feel sick after eating too much.”
(食べ過ぎて気分が悪いです。)
それぞれの状況での使い方
- 深刻な体調不良の場合:
- “I feel ill. I think I need to go to the hospital.”
(体調が悪いです。病院に行く必要があると思います。)
- “I feel ill. I think I need to go to the hospital.”
- 軽い体調不良の場合:
- “I feel sick. I think I just need some rest.”
(気分が悪いです。少し休めば良くなると思います。)
- “I feel sick. I think I just need some rest.”
病気の名前を使う場合
「ill with the flu」と「sick with a cold」の使い方
- ill with the flu:
- 「flu(インフルエンザ)」のような、重くて長引く病気の場合に使います。この表現は深刻な病状を示唆します。
- 例文: “She is ill with the flu and won’t be able to come to work this week.”
(彼女はインフルエンザで体調が悪く、今週は仕事に来れないでしょう。)
- sick with a cold:
- 「cold(風邪)」のような、軽い病気の場合に使います。短期間で治る病気を指します。
- 例文: “He’s sick with a cold, but he’ll be fine in a few days.”
(彼は風邪をひいていますが、数日で良くなるでしょう。)
より具体的な表現方法
- illの場合:
- “He is ill with pneumonia.”
(彼は肺炎で体調が悪いです。) - “She has been ill with a severe infection.”
(彼女は重い感染症で体調が悪いです。)
- “He is ill with pneumonia.”
- sickの場合:
- “She got sick with food poisoning.”
(彼女は食中毒で体調を崩しました。) - “He feels sick with a stomach bug.”
(彼は胃の不調で気分が悪いです。)
- “She got sick with food poisoning.”
このように、具体的な病状や状況によって「ill」と「sick」を使い分けることで、より正確に自分の状態を伝えることができます。次のセクションでは、国や文化による違いについて詳しく見ていきましょう。
“sick”の音声付き例文
吐き気がする
船酔いをしてしまい…
今吐きそう。
さっき船酔いしたんだ。
このように船酔いや2日酔いで吐き気がするときや気持ち悪いときによく使われます。ちなみに船酔いや車酔いは、“seasick”や”carsick”と表現します。
具合が悪い
同僚へ…
今日は具合悪そうだね。
ある同僚が事務所にいなくて…
彼は1週間ほど病気だよ。
もう一つの意味は「具合が悪い」です。動詞には色々おけましてseemやlook、becomeそして”feel”、”be”を状況によって使うことができます。
“feel sick”と”be sick”の違いは?
“feel sick”の場合は「感じる」状態であることからウィルスにかかった病気以前のことを指すので、一時的なものに限りします。例えば、頭痛や気持ちが悪かったり、吐き気がしたりという状態です。一方で”be sick”は「病気の状態」であることからインフルエンザのようなウィルスにかかった比較的短い期間で治る病気を指します。
“ill”の音声付き例文
重い病気
姉について…
ナオミは肺感染症の病気で病院にいるんだ。
彼女について…
彼女は精神病なんだ。
“sick”に比べると硬い表現になります。”sick”が比較的短期で治る病気に使うのに対して、illはガンや感染症などの重く治るのに時間のかかる病気に使われます。
“ill”の直後に名詞をおけない
このように“ill”は名詞の直前におくことができませんが、”sick”の場合は”sick child”とすることができます。
“I’m sick and tired of 〜.”もついでに押させておこう
毎日サラダばっかり食べるのはうんざりだよ。
イディオム表現になりますがこのように“sick”は何かに飽き飽きしたときも使われます。“tired”を省いてシンプルに”I’m sick of 〜.”と言うこともできますよ。詳しくは別の記事でまとめているのでよかったらどうぞご覧ください。
イギリス英語では使い方が変わるよ
バスに乗っていて…
吐きそうかも。
同僚について…
イギリスでは「具合が悪い」という意味で”ill”がよく使われ、また“sick”は「吐き気がする」という意味で使われます。
国や文化による違い
アメリカ英語 vs イギリス英語
アメリカでは「sick」が多い?イギリスでは「ill」が多い?
英語には、アメリカ英語とイギリス英語という二つの主要なバリエーションがあります。これらのバリエーションでは、「sick」と「ill」の使い方に違いがあります。
- アメリカ英語:
- アメリカでは、「sick」が一般的に使われます。軽い体調不良から深刻な病気まで、幅広い意味で「sick」が使われます。アメリカ英語では「ill」も使われますが、日常会話では「sick」の方が頻繁に使われます。
- 例文: “I am feeling sick today.”
(今日は気分が悪いです。)
- イギリス英語:
- イギリスでは、「ill」がよく使われます。重い病気や長期間続く体調不良に対して使われることが多いです。軽い体調不良に対しても「ill」を使うことがありますが、特に深刻な病状を示す場合には「ill」が好まれます。
- 例文: “She has been ill for a week.”
(彼女は一週間ずっと体調が悪いです。)
文化的背景を交えて解説
これらの違いは、言語の発展や文化的な背景に由来しています。
- アメリカ英語:
- アメリカでは、言葉の簡略化が進んでおり、よりシンプルで使いやすい表現が好まれる傾向があります。したがって、「sick」という言葉が広く使われるようになりました。また、アメリカでは日常生活で医療機関を利用する機会が多く、その際にも「sick」という言葉がよく使われます。
- イギリス英語:
- イギリスでは、歴史的に見て医療の発展が早く、病気に関する語彙が豊富です。「ill」は、古くから使われてきた言葉であり、特に重い病気を表現するために使われることが多くなっています。また、イギリスでは公共医療制度が充実しており、病気に関する表現が多様であることも特徴です。
このような文化的背景を理解することで、より適切な言葉を選び、現地の人々と自然なコミュニケーションを取ることができます。次のセクションでは、よくある間違いとその対策について見ていきましょう。
よくある間違いとその対策
混同しやすいフレーズ
「feel ill」と「be ill」の違い
- feel ill:
- 「feel ill」は、一時的な体調不良や軽い病気の際に使います。自分の気分や感じ方に焦点を当てています。
- 例文: “I feel ill after eating that seafood.”
(あのシーフードを食べた後、気分が悪いです。)
- be ill:
- 「be ill」は、より深刻な病気や長期間続く体調不良を示します。体調そのものの状態を表します。
- 例文: “She has been ill for a long time.”
(彼女は長い間病気です。)
注意すべきポイントと覚え方
- feel illは一時的な体調不良や軽い病気
- be illは長期間続く深刻な病気
- 覚え方として、feelは「感じる」という意味なので、一時的な感覚に使い、beは「~である」という意味なので、状態そのものに使うと覚えると良いでしょう。
ネイティブがよく使う表現
実際の会話での使い方
ネイティブスピーカーがよく使うフレーズを知っておくと、より自然な英語を話すことができます。以下にいくつかの例を挙げます。
- “I’m feeling a bit under the weather.”
(ちょっと体調が悪いです。) - “I think I’m coming down with something.”
(何か風邪を引き始めたみたいです。) - “I need to see a doctor. I don’t feel well.”
(医者に診てもらう必要があります。気分が良くないです。)
役立つフレーズ集
- 日常会話で使えるフレーズ:
- “I’m not feeling well.”
(体調が良くないです。) - “I have a stomachache.”
(お腹が痛いです。) - “I’m feeling dizzy.”
(めまいがします。)
- “I’m not feeling well.”
- 医療機関で使えるフレーズ:
- “I need to make an appointment with the doctor.”
(医者の予約を取りたいです。) - “I have been feeling ill for a few days.”
(数日間体調が悪いです。) - “Can you give me something for the pain?”
(痛み止めをいただけますか?)
- “I need to make an appointment with the doctor.”
これらのフレーズを覚えておくと、様々な状況で役立ちます。正確な使い方を身につけることで、より自然で効果的なコミュニケーションが可能になります。次のセクションでは、練習問題で復習しましょう。
まとめ
今日学んだこと
今日は、「ill」と「sick」の使い分けについて学びました。それぞれの違いや、具体的な使い方、そしてネイティブがよく使うフレーズについて理解できたと思います。以下に、ポイントをまとめます。
- 「ill」と「sick」の基本的な違い:
- 「ill」は主にイギリス英語で使われ、重い病気や長期間続く体調不良を指すときに使います。
- 「sick」は主にアメリカ英語で使われ、短期間の体調不良や軽い病気を指すときに使います。
- 状況別の使い分け:
- 深刻な体調不良や長期間の病気: “I feel ill” または “I am ill”
- 短期間の体調不良や軽い病気: “I feel sick” または “I am sick”
- 具体的な病気の場合: “ill with the flu” や “sick with a cold”
- 文化的背景:
- アメリカ英語では「sick」が一般的に使われ、イギリス英語では「ill」がよく使われること。
- よくある間違いとその対策:
- 「feel ill」と「be ill」の違いを理解し、適切な状況で使うこと。
- ネイティブがよく使うフレーズを覚えて、実際の会話で使うこと。
応援メッセージ
英語の学習は時には難しく感じることもあるかもしれませんが、一歩一歩確実に進んでいくことが大切です。今日学んだ「ill」と「sick」の使い分けをしっかりと身につけて、日常会話で自信を持って使えるようになりましょう。どんなに小さな進歩でも、それが積み重なって大きな成果に繋がります。引き続き頑張ってくださいね!応援しています!
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